
【5/31イベントレポ】 FOOD MEET UP 〜学生限定イベント〜
【FOOD MEET UP イベントレポ】

5月末、香ばしいパンの香りとスープのやさしい味わいに包まれた会場で、交流イベント
「FOOD MEETUP」が開催されました。
自分の『好き』を信じて何かを始めたいと願う大学生たちを前にフードピッチを行ったのは、
「株式会社のびしろ」の奥井有紗さんと、「PassoBites」の大久保輝さん。
今回は登壇者のおふたりにお話を伺いました。
■食べることが、味方になるように
まずご紹介するのは、食べることに悩む人に寄り添うスープの開発に取り組む奥井さん。
テーマは「22時に帰宅するあなたへ」などシーンや気持ちに合わせて少しずつ更新されています。
心身ともに疲れていても安心して食べられる、
『食のお守り』を届けたいーー。
それが彼女の想いです。
■スープに声を添えて今回のイベント限定で提供された「塩レモントマトスープ」と「胡麻豆乳スープ」は、どちらもシンプルながら歯ごたえがあり、優しい味わいでした。

ピッチで奥井さんの想いを聞いた後に食べると、味と込められたストーリーが心に染み入りました。
「口に出すことで想いが届くし、応援してもらえる。それが、また次の一歩につながるんです」
自身がそうして背中を押されてきたからこそ、「人前で話す機会を、もっと多くの人に経験してほしい」とも。
また、「お互いの顔が見える距離感でざっくばらんに話せること」こそが、彼女にとってのこのイベントの魅力でした。
試食とともに届いた率直なコメントも、彼女にとってはひとつひとつ大切な『声』。
今後の彼女の糧になるでしょう。
■『食のお守り』がだれかの手の中に届くまで
「まずは、今開発中のスープを商品化したい」
これが、奥井さんの今年の目標です。たくさんの手間と工夫を重ねた『食のお守り』が、まもなくだれかの手に届こうとしています。
彼女の新たな一歩は、きっとだれかの『やってみたい』に火を灯してくれるはずです。

■『好き』を世界にするマーケター
次にお話を伺ったのは「PassoBites」を手掛ける大久保輝さん。
食が自分のすべてだと語る彼女がたどり着いたのが、「一口で世界を旅する」のコンセプト。
自分の『好き』にストーリーを乗せて、だれかの『好き』にそっと火種を渡す。
そんな丁寧な矢を放つのが、フードディレクター兼マーケターの大久保さんです。
■ひとくちで、こころを近づける
イベント当日には、奥井さんのスープに合わせて、「オリーブのフォカッチャ」と台湾の揚げパンの「油條(ヨウティヤオ)」を用意してくれました。
特にフォカッチャはローズマリーが香るふわふわとした食感でした。

「自分の想いを持って活動している学生が本当に多い」と大久保さん。これからも想いを持つ者同士がつながる機会がどんどん増えていってほしいと話していました。
■挑戦は、「種まき」
「怖いもの知らずの今こそ、臆せずいろいろ挑戦してほしい」
これが大久保さんから大学生へのメッセージです。

大学生活は自由で、けれど有限。
「経験はお金には代えられない」と話す大久保さん。
だからこそ、時間があるうちにできることはやっておこう。
彼女の言葉は1日1日の大切さを思い出させてくれます。
大久保さんの今年の目標はキャリアチェンジ。
これまで自分の『好き』を信じて、彼女はいくつもの種をまいてきました。
その種が今、少しずつ芽を出し始めています。
これからどんな花が咲き、どんな花畑が広がっていくのか―
いつか、その場所に花を摘みにいってみたくなります。
情熱から咲いた花は、きっと芯が強いはずだから。
登壇者たちの『好き』が交わったパンとスープは、参加者をつなぐ架け橋に。
今回の「FOOD MEETUP」は参加者の『やってみたい』の芽が出るきっかけになりました。
そして――
あなたは、その手の中の種をどんな花に育てたいですか。
文・取材:廣田 莉子(大学生/ライター)